Phantom2:フライト編#10~「離陸直後の急上昇、ロスト寸前」の再現検証で新発見~

前日のフライトで危うくPhantom2をロストするところでした、離陸と同時高度50mぐらいまで急上昇し舵もスロットルも効かず完全にノーコン状態、ハラハラしながらもFailSafe機能発動でなんとか地表まで戻りハンドキャッチで生還。原因を突き止めようと今日は再現検証してきました。

原因は、タイトル画像にあるように欠損プロペラでのフライトにあることがわかりました。

急上昇・ノーコン現象の詳細レポート

第一回目のフライトで木に接触

この日の、第一回目のフライトは全然問題なく制御できてました、でもこの時重大なミスを犯してたんです。というのは、周回テクを練習しようと全速で円運動をしてて、周りの木立に接触して木に引っ掛かってしまいました。チョット苦労しましたが地上から数メートルという高さのため落下させることも無くサルベージは完了しました。(家に帰ってから気が付いたのですが4本あるプロペラの内、一本が欠けてました、この時の接触で欠いたんですね。)

第二回目のフライトで急上昇、ノーコン発生。

プロペラ欠損にも気づかづにフライト続行しました、アーミング後、スロットルアップで普通に上昇するも、スティックをセンターに戻してもホバリングせず機体はそのままドンドン上昇を続けて目測50mぐらいでホバリング、そして緩やかにあらぬ方向に飛んでいこうとしてます。いそいで舵を切るも思うように戻ってきません。完全なノーコンというわけではなく舵には微妙に反応している様でした、でも徐々に離陸地点からは離れていこうとしました。勿論、スロットルスティック・ダウンで下降指示を出してますが、全然降りてくる様子もなしです。

どうしょうと考えている間に、FailSafe機能のことを思い出し、これを発動させようとプロポの電源をオフさせました。LEDが黄色の点滅に変わったので検知はしたようで、しばらくすると徐々にではですが下降し始めました。

何度か、FailSafe機能を実フライトで試しているのですぐには降りてこないことを知ってたので、本当に降りてくるのかとハラハラ・ドキドキでしたが、そのうち下降し始めたのでその時は本当にホッとしました。

地表近くまで降りてきたところで、また急上昇を始めたら本当にロストすると思い最後は、手の届くところでハンドキャッチしなんとか無事生還です。

注)実は、この後、Phantom2の電源再投入でもしかしたら復帰してるかもと思い、第三回目フライトをしました。結果は同じで急上昇⇒ノーコン⇒ハンドキャッチでした。

 帰宅後の機体チェック

FantomAssistanS/W接続での確認

  • 急上昇⇒センサー誤検出
  • ノーコン⇒プロポステック操作に対しての反応不具合

かと思い、まずはAssistanS/W(Verion3)で確認です、結果は以下の通り。

  • センサー出力:AssitantS/Wでは①加速度センサー、②ジャイロスコープ、③電子コンパス、④GPS の出力がモニタできます、但し気圧高度計(内部には搭載されているらしいです)のモニタはできないようです。機体をXYZの3軸に沿い傾けてみたところ数値はともかく検出はしている様です。(但し、GPSはあんまり急上昇にはあまり関係なさそうだし、屋内ということもあり確認はしませんでした)
  • プロポステック操作に対する反応:スティック操作するとトラベル量が数値でモニタできますが、4軸とも全然問題なく反応してます。スロットルに関しても問題なく反応してます。

ということで、特におかしなところは見当たらず。

機体外観を良く見てみると

機体外観をよく見てみたら4本のプロペラの内1本が欠損してました、先端から2cm程度の欠けなので現地では気が付かなかったと思います、それに回転させてもすごい振動が出るわけでもなくいつもの蜂音が聞こえたし。

DSC06375_Rでも、この時はこれが急上昇・ノーコンの原因とは考えにくい気がしました。(でも、実はこれが原因だったんですね)

機体内部のケーブル切断、コネクタ抜けなどの目視確認

急上昇したということから、Phantom2機体内のケーブル破損、コネクタ抜けなどがあったのかもしれないと思い、念のためシェルを外して内部目視チェックをしましたが、特に問題はなかったです。

室内でのアーミング動作確認

最後に、プロペラを4本とも外してモーターのアーミング動作確認をしました。結果、いたって問題なく動作しました。(と行ってもプロペラを付けた状態での実フライトではないですが)

アーミングオン⇒スロットルアップ⇒スロットルダウン⇒アーミングオフ(モーターオフ)をやりましたが問題なしでした。

翌日の再現検証のフライト実行

また、急上昇して手の届かないところまで飛んで行ってしまうのが怖くてスキッドにタコ糸を縛り付けて最悪の場合は手で手繰り寄せるという作戦にしました。

DSC06382_R

DSC06384_R写真手前は手製のタコ糸リールです。(粘着ローラ+ギターのペグローラ)

DSC06386_R比較のためペラを並べてみました。

正常プロペラでのフライト

破損ペラを新品のペラに交換すってフライトさせました。全然問題ないです、いつものフライトと同じです、舵、スロットルの各スティックに対する反応もノープロブレム。

破損プロペラを再度取り付けてのフライトで再現

ものの見事に(表現がおかしいですが)再現しました、離陸するとすぐに急上昇して行くではありませんか、でも今日は紐付きなので飛んで行ってしまう前に手繰り寄せて無事生還です。(ちょっと、緊急不時着っぽかっあですが、それでも無傷です。)

結論:破損ペラが直接原因と判明、でも急上昇・ノーコンとの因果関係は何でしょう?

何んで破損プロペラを使うと急上昇・ノーコンになるんでしょうね。

あえて推測すると、

  1. 振動が通常よりも増加してセンサー出力が異常になった
  2. 破損ペラの部分の揚力不足でペラ回転が上がり、4つのモーターの制御に支障が発生。(ちょっと無理があるかなぁ)

いずれにしても、ここまでくるとメーカーサイドのエンジニアでないとわかりませんね。

とりあえず教訓として、プロペラは異常があったら新品に交換すること。といっても、異常・正常の切り分けが難しいですね、まずはプロペラ・バランサーでチエックをするぐらいですか。

以上、長々と書きましたが今回の事件の顛末です。

 

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